インドの隠れたイスラムの聖地
隣町のプシュカルがヒンドゥー教徒の聖地であるのに対し、高名なイスラム教の聖人を祀る廟があるアジメールは、イスラム教徒にとっての聖地です。モスク周辺には、コーランやメッカの写真など、イスラム教に関する土産物屋や、プシュカルでは食べられない肉料理屋が軒を連ねています。街の規模は大きく、お祈りの時間には大音量でアザーンが流れ、まるで中東にいるような雰囲気が味わえます。街の人々は温かく穏やかな人が多い印象なので、イスラムの街をたっぷり味わいたい人にはオススメです。
イスラム教の聖地のため、熱心な信者がたくさんいます。他のインド地域とは異なり神聖な場所であることを念頭に置いて行動するようにしましょう。男女ともに手首足首まで丈のある服と、女性の場合は頭を覆うショールを必ず持っておいて下さい。狭い路地もあるので、夜道の一人歩きは避けるようにして下さい。
大きなモスクから小さなモスクまで、常に人が出入りしては祈りを捧げています。毎日5回のお祈りの時間には、子供から大人まで一斉にモスクに集まりお祈りをします。お祈りのアザーンは、韻を踏んでいて心地よい音のように聞こえます。しかし、早朝から大音量で流れるので、モスクの隣のホテルに泊まると、少しうるさく感じるかもしれません。
ヒンドゥー教の寺院とサンスクリット語の学校を打ち壊して、たった2日間で作ったといわれる「アダーイ・ディン・カ・ジョーンプラー」。イスラム教の威光を表す政治的な意味を持つモスクです。今でも壁の至る所にヒンドゥー教寺院特有の装飾が見られます。12世紀末に建てられた、インドの中でもかなり古いモスクのうちの1つです。
日中は、子供たちの学校になっているモスクもあります。イスラム教の教えを十数人のグループになって学んでいます。イスラム教の授業では、みんな正座して体を前後にゆすりながら勉強するのが特徴です。まるで居眠りをしているように見えますが、そうではありません。また、授業を受けられるのは基本的に男の子のみです。
1192年にペルシャから布教にやってきたイスラム教のスーフィー(イスラム神秘主義者)が祀られている廟には、今も多くのイスラム教徒達がインド中から巡礼に訪れます。
入口にあたるニザーム門では、服装による入場制限が設けられています。肌の露出は避け、頭を覆うショールが無いと中に入ることは出来ません。持っていない場合は、 近くの売店で布かイスラム帽を購入して中に入りましょう。
中では多くのイスラム教徒がメッカの方角に向かって座り、お祈りの時間を今か今かと待っています。 その間も、コーランを片手に小声で朗読したり床に頭を着けてお祈りしたりしています。 モスクの中央には小さなほこらがあり、そこにお供えのお花を手向けると、権力のあるイスラム教の巡礼者が独特のお祈りをして、一人一人の体を清めてくれます。
インドにいながら、イスラムの雰囲気をどっぷりと味わえるアジメール。ジャイプールやプシュカルの観光の合間に行ってみてはいかがでしょうか。
写真でみるアジメールの旅
街の規模は大きく、ゆるい坂道になっているので、有名なモスクを全て回るには、リキシャを使って回るのがオススメです。
イスラム教の人々は、白いクルタパジャマにイスラム帽をかぶり、ひげを生やしているのが特徴。きちんとした格好で参拝したいと告げれば、心良く迎えてくれます。