誰もいないビーチ? 世界を作った三神が見守る海岸
海に面した穏やかな雰囲気の街プリーは、保養地としてインド中から観光客が訪れ、日光と潮風を体中に浴び浜辺を歩く姿を多く目にします。海の波はやや高く、サーフィンの大会が開かれるほど。波打ち際では子供だけでなく大人も、果敢に波に走り込んでは、バシャンと波に打たれるのを楽しんでいます。ヒンドゥー教の巡礼地としての顔もあり、街ができる前からあったといわれるジャガンナート寺院は「宇宙の神」として崇められていますが、そのコミカルな風貌に外国人からの人気も高いようです。
裏路地が少なく道路も広いので、さして危ない地区はありませんが、夜間は吠える犬が多いので注意が必要です。プリーの人々は土地柄か、とてもおだやかで、オリッサ州の言葉を話すととても喜んでくれます。「ハビヤー(お元気ですか?)」と声をかければ、ひとたび会話もはずむことでしょう。
ベンガル湾に面するプリーでは、近海漁業が盛んです。捕れる魚介類はさほど大きくありませんが、常に新鮮で近隣のレストランでは海鮮カレーが安く食べられます。漁村では、男性が漁をし船を引き揚げ、女性はカメいっぱいに詰まった魚を頭に乗せて街に売りに行くという昔ながらの姿を見ることができます。
オリッサ建築の最高傑作と言われるジャガンナート寺院には、ヒンドゥー教の巡礼者がインド各地から訪れます。年に一度のラタヤットラ祭では、この3体の神が山車に乗ってメインロードを練り歩き、すさまじい熱気と興奮に包まれます。ラタヤットラ祭の時、信者の熱狂はクライマックスに達し、かつてはその車輪の下に身を捧げる人までいたそうです。
プリーにある"チャンドラセカールアカデミー"では、各学年週に1度、日本語の授業があり、子供たちは日本語や日本の文化を学んでいます。インドの子供たちはとにかく元気いっぱいで、日本が大好き。日本語を教えるのに資格は必要ないので、プリーに来た際は子供たちと一緒に日本とインドの文化交流をしてみてはいかがでしょうか?
プリーから東へ35kmのところにあるコナーラクビーチは、サラサラとした砂浜とベンガル湾を一望できる秘密のスポット。ほとんど誰もいないまさにプライベートビーチ。
ゴミもほとんどなく、波打ち際には遠い国から流れ着いたような見慣れないビンが落ちていたり、その横を小さなカニがソワソワと通り過ぎたりと、ロマンを感じさせます。
さらに、その近くにはスーリヤ寺院という世界遺産もあり、無数の柱のレリーフや、本殿を支える車輪などその精巧な彫刻は見事なものです。ローカル感たっぷりのコナーラクの街ののんびりした静けさを味わいたければ、1泊はしていただきたいところです。
リクシャーを使って、少し足を伸ばせばそこにはベンガル湾を独り占めできる景色があなたを待っています。
写真でみるプリ―の旅
プリーの海には、ラクダや牛、馬も一緒に海水浴を楽しんでいます。近くにはその場で魚やエビを揚げてくれる屋台もあります。
漁村には子供がたくさんいます。Tシャツ一枚で走り回る子供たち。とても人懐っこく、日本人を見かけるとあいさつしてくれます。